- イーサリアムとは?
- イーサリアムとビットコインの違いはプログラム可能かどうか!
- イーサリアムの仕組み
- イーサリアムで実現可能なこと
- イーサリアムがきっかけで生まれた新しい分野
- データからわかるイーサリアムの将来性
- 終わりに
「イーサリアムって名前は聞いたことあるけど結局何がすごいの?」「仮想通貨ビットコインとの違いは?」本記事の内容はそんな人におすすめです。
この記事ではイーサリアムの仕組み、ビットコインとの違い、実現可能なことなどイーサリアムに関する知識を初心者でもわかりやすく解説しています。
読み進めていくと、想像以上に現在のイーサリアムの技術開発は進んでいて、将来性があることが理解できるでしょう。
イーサリアムとは?
イーサリアム (Ethereum) は、中央機関に管理されることなく、アプリや組織を構築し、資産を所有・送金、さらに相互のコミュニケーションを実現するための技術基盤です。
つまり、既存のTwitterやFacebook、さらには銀行のようなサービスを中央で管理する存在なしに実現できる基盤を提供しているということです。
イーサリアムはビットコインの技術に感銘を受けたヴィタリック・ブテリン氏が2013年に考案しました。共同創設者にギャビン・ウッド氏、チャールズ・ホスキンソン氏などがいます。
実はイーサリアムの技術は、後述するDeFiやNFTなどの分野にすでに利用されているんです。一方で手数料の高さや拡張性などに課題があり、これらを解決するための開発が進められているのが現状で、2023年にはアップデートを控えています。
イーサリアムとビットコインの違いはプログラム可能かどうか!
イーサリアムとビットコインの大きな違いは、プログラム可能かどうかという点にあります。プログラム可能とは、ブロックチェーンを使ってデータを保存・制御するアプリが作れるということです。
ビットコインのネットワークでは通貨の管理のみが許可されており決済や送金、価値の保存といった目的としてのみ使われ、そこにアプリを構築することはできません。
一方イーサリアムではネットワーク上にDApps(Decetralized Applicationの略)と呼ばれる分散型のアプリを構築することができます。
分散型とは中央で管理する人がいなくても自律的に動くということで、中央集権的なシステム(組織)で問題となっていた権力の集中、個人情報の流出などの問題を解決することが期待されています。
イーサリアムの仕組み
イーサリアムは一体どのような仕組みで動いているのでしょうか?初心者でもわかりやすく解説していきます。
スマートコントラクトであらゆる契約を仲介者なしに自動化する

スマートコントラクトとはイーサリアム上に記述されるプログラムのことで、契約を記録しておき特定の条件に至ったら自動的に実行される仕組みになっています。
スマートコントラクトは自動販売機に例えられることが多いです。「一定のお金が入金され、ボタンが押されると飲み物が買える」という契約があらかじめ機械にプログラムされているからです。
契約というと商品の売買、お金やモノの貸し借り、業務委託・請負など私たちのまわりに無数に存在していますよね。しかし、これには仲介者が絡んでいることが多く人為的ミスによって複雑化し、トラブルに発展することもあります。
これらがスマートコントラクトに置き換わることで、このようなことがなくなり私たちの生活はより便利で豊かになることが期待できるのです。
ちなみにスマートコントラクトのプログラムはSolidityと呼ばれる言語で書かれています。 Solidityは静的に型付けされ、継承、ライブラリ、複雑なユーザー定義型などをサポートしており、 構文はJavaScriptに似ていると言われることが多いです。
通貨ETH(イーサ)でやり取りをする
イーサリアムネットワーク内ではサービスの利用料・商品の購入などにETH (イーサ) と呼ばれる通貨が使われます。
価格は日々変動するものですが、イーサリアムの利用が進むことで長期的には上がっていき安定することが期待できるでしょう。
また発行上限は決まっていません。ETHが使われるごとにバーン (焼却) され、ETHの希少価値が高まりやすい仕組みになっています。
PoS(プルーフオブステーク)で権力の分散化とエコを両立
円やドルといった法定通貨は国が発行権を持ち、独自の裁量で通貨を発行することができます。それではイーサリアムの通貨ETHはどのように発行されるのでしょうか?
イーサリアムではETHの所有者がETHを預ける量が多かったり、保有している期間が長いほど発行(採掘)できる権利を得る確率が高まるPoS (Proof-Of-Stake) という仕組みを採用しています。
これによってイーサリアムネットワークに参加している人誰しもが、通貨を発行できる権利を得る可能性があるということになり権力の分散につながります。
一方、ビットコインのPoW (Proof-Of-Work) という仕組みでは大量のコンピュータによる多くの計算を必要とし、大量の電力消費による環境への負荷が問題になっています。もともとイーサリアムもこのPoWを採用していましたが環境に考慮し2022年にPoSに移行しました。
イーサリアムで実現可能なこと
イーサリアムは中央集権的な仕組みの多くの問題点を解決する可能性を秘めています。ここではそのいくつかを紹介していきますね。
プライバシーの保護
イーサリアムのサービスを利用する際に個人情報の登録が必要ありません。そのため、個人のプラバシーは守られ匿名でサービスを利用することができます。
インターネット接続だけで金融サービスが受けられる
世界には銀行口座を持たない人が4人に1人いると言われています。
しかしインターネットに繋がってさえいれば、審査なしで誰でもお金を預けたり、借りたりすることができるようになります。
スマートコントラクトを介した直接取引で信用さえ必要なくなる
イーサリアムでは取引相手と自分が仲介者なしに直接取引を行います。直接といってもお互い名前も顔も知らないことがほとんどでしょう。
しかし、取引のルールをあらかじめスマートコントラクトに記述しておくことで相手を信用することさえ必要なくなります。
強制的な干渉を受けない
中央管理者がいないため、いきなり強制的にアカウントを凍結される心配がありません。
アプリ同士がつながる
イーサリアム上のアプリは全て同じブロックチェーン上に構築されるため、相互運用がしやすくなります。
例えば、あるゲームで手に入れたアイテムを別のゲームで使えるようなったりするでしょう。
イーサリアムがきっかけで生まれた新しい分野

イーサリアムという技術基盤があって生まれた新しい分野を紹介します。これらが当たり前のように使われるようになる未来になるかもしれません。
DeFi (Decentralized Finance)
DeFiはDecentralized Financeの略で分散型金融と訳されます。匿名でお金の貸し借りが可能で仲介者を介さない分、通常の金融サービスと比較して手数料が安くなっています。
現在稼働しているDeFiのサービスとしてUniswap、PancakeSwapのような取引所、Aaveのレンディングサービスなどがあり、同じようなプロジェクトが増加中です。
NFT (Non Fungible Token)
デジタルデータに唯一無二の価値を持たせる技術をNFTと言います。NFTは自由に作成・売買が可能で、その取引にはETHが使われることが多いです。
現在NFTとしてBored Ape Yacht ClubやCrypto Punksといったデジタルアートが主流で、OpenSeaのようなNFTマーケットプレイスという市場で活発に取引されています。
GameFi (Game + Finance)
ゲームに金融 (Finance) の概念を合わせてできたのがGameFi です。ゲーム内のアイテムやキャラクターは先述したNFTとして扱われ、運営ではなくプレイヤーに所有権があります。
またゲーム内では仮想通貨を稼ぐことができ、雇い主と労働者という関係が生まれ独自の経済圏を築きつつあるゲームもあります。GameFiとしてThe Sandbox、Axie Infinity、STEPNなどが有名です。
データからわかるイーサリアムの将来性
ここではイーサリアムの将来性を様々なデータに基づいて解説していきます。
開発が活発に行われている

画像引用:LIVE COIN WATCH
上図は開発者がイーサリアムネットワーク上にソースコードをどれだけコミットしたかをマトリクスにしたもの(2022年11月時点)です。色が濃いほど一日あたりのコミット数が多かったこと表しています。1年を通して活発に開発がなされていることがわかりますね。
開発が活発に行われているということは、多くの開発者がイーサリアムに将来性があることを見込んでいることになるでしょう。
DeFi分野のシェアは50%以上

画像引用:DefiLIama
DeFi分野において、イーサリアム (Ethereum) は57%以上の割合を占め、2位以下を大きく引き離し圧倒的シェアを持っていることがわかります。
このように多くのDeFiプロジェクトが既にイーサリアム基盤上で動いていることから、簡単にこの順位がひっくり返ることはないでしょう。
多くの有名企業が参加するイーサリアム企業連合
イーサリアム企業連合 (EEA) は、イーサリアムを企業が活用するためのサポートをする目的で設立された組織です。
参加企業は下記のような大企業を含め、500社を超えイーサリアムの将来性に注目し活用しようとしていることがわかります。
- Microsoft
- J.P.Morgon
- Intel
- accenture
- 三菱UFJグループ
- トヨタ
- KDDI
- NTT Data
終わりに
イーサリアムは現在も開発が進められている技術で、DeFiやNFTといったユースケースが続々と出てきています。しかしまだ既存の技術を完全に代替するまでいっていないのが現状です。様々な人に使われて初めてイーサリアムは成功を収めることになります。
イーサリアムはGoogleやAmazonのような巨大テック企業、いわゆるGAFAMに置き換わるという意見がある一方で共存していくだろうという人もいます。
また国が担っていた機能を補完するようになるという見方もあり、イーサリアムが今後どのように使われていくのかはまだ模索の段階であるといえるでしょう。
皆さんはイーサリアムの未来をどんなふうに想像しますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。